クリーニングの行程を大分するならば、「洗い」と「仕上げ」と為るのではないでしょうか。
しかし、「仕上げ」とはそれを語るとすると、たいへん難しいキーワードであると改めて再認識させられます。
何故なら、膨大な種類の繊維をまず認識しなければ為りません。
ですが、これは「仕上げ」の門を叩くための礎でしかありません。
それを、踏まえた上で紳士服・婦人服・子供服・和服・等々、それらそれぞれにアウターから中間着そしてインナー或いは防寒着。
その全てにおいて、仕上げの確固たるルールがあります。
それだけでは、ありません。
それを崩した物また境界線を無視する物、既成概念を破棄する物が時として、世情の流れにより脚光をあびたり
スタンダードに成ることもあります。
私は今、このページを制作しながら、「クリーニングとは、アパレル業界の動向と顧客のニーズに対応するために膨大な情報の集約し認識しなければならない。しかも時代に遅れるよう迅速でなければならない。」・・・と・・考え・・・。
目眩がしてきました・・・。
余談は此までにして、
奥深いテーマですので、仕上げ方ではなく、技術の概論をまず語りたいと思います。
「ユーザーが好む着こなしを考慮した仕上げ。」私は、此が理想ではないか・・。と、考えます。
アイロンにも、種類があります。
大別すれば、焼きゴテと呼ばれる熱アイロン、電熱と蒸気を併用した電蒸アイロン、蒸気のみを熱源とするヒートレスアイロンです。
しかし、それ以外にも人体型のプレス機などの機械仕上げがあります。
機械仕上げと言えば「大量生産=安物。」のイメージがあるかも知れません。
が、機械仕上げには、それならではのポテンシャルが在ります。
一例を上げましょう。
蒸気アイロンと仕上げ台では、蒸気アイロンからの蒸気を仕上台のバキュームで吸わすと言う行程になりますが。
機械仕上げでは、ブロー(吹き上げ)が可能になります。
近来、起毛の加工がされたものや、弾力性を持つ風合い重視の繊維が在ります。
それらの風合いを損なわないためにも、ブローは重視されます。
又、丸みあるシルエットを多用し、ソフト素材が使用され、芯地が接着芯を多用した婦人服にもブロー中心で仕上げるべきです。
つまり、機械化とはコストパフォーマンスの追求のためのみではなく、機械に依って得られる品質の向上もあり得る。
当然、職人による機械仕上げも重視されて然るべきです。
昨今、クリーニング業界に於いて、アイロンと言えば蒸気アイロンを指すまでに普及しました。
が、私の持論では、焼きゴテ(熱アイロン)を使いこなせてこそ一人前と言う観念が在ります。
焼きゴテは、強・弱(もしくは、強・中・弱の三段階)の二つのスイッチのみで、サーモスタットは有りません。
温度設定は、勘のみです。
重さも、11ポンドから14ポンド・ボーリング玉と同じくらいです。
これが、木綿や麻のワイシャツやシーツなどシワに成りやすく伸びにくい物をプレスするにはベストでした。
最近では、形状記憶繊維やソフト素材が出回り逆に、焼きゴテを使わなければならない様な品物は激減し、
又、取り扱い難さから焼きゴテはめっきり見なくなりました。
しかし、受けつぐべき技術で在ると考えます。
只、私がまだ駆け出しの頃、父親から夜遅くまで扱かれた記憶からくる観念論かもしれませんが・・。
次に、蒸気アイロンについて、
上記にて、電蒸アイロンとヒートレスアイロンを紹介しましたが、
蒸気の熱源のみしかないヒートレスアイロンは、蒸気が残留しやすく後々型くずれする可能性があるので電蒸アイロンに移行する
傾向に在ります。
蒸気アイロンの決め手は、「スチームafterドライ&クールダウン」です。変な言葉ですね。私が勝手に作りました。
それでは、説明しましょう。
繊維はスチーム(蒸気)を加えることにより、膨らみ形が変わりやすくなります。
形を整えたところで、湿気と余熱を取り除く。具体的に言えば、アイロンの蒸気を切り軽く押さえ仕上げ台のバキュームにより
余熱を取り除く「ドライ&クールダウン」です。
形を整えると表現しましたが、クリーニングに於けるアイロンとはまさしく「整形」と言って過言ではないでしょう。
アイロンは、しわ伸ばしと考えるのは、あまりにも認識不足です。
ここで、紳士服を例に上げましょう。
アウターウェアーには、着用時の動きや風雨、そしてクリーニングの際の洗いと乾燥よる
ストレスで、型崩れしている可能性があります。
実際に紳士服は、裏地や芯素材が多く使われており、立体的な整形と
エッジやステッチのシュープな仕上げが要求され、沢山決まり事が有ります。
(尤も、一部のコンセプトに在る物は、流行によりかなり変化しますが。)
則ち、アイロンによる「整形」とは、それらを踏まえて修正し形を直すと言うことなのです。
これで、一応私の概論は終わります。
が、これは、ほんの触りに過ぎません。
又、アイロンについては、語るり尽くせない「感覚」の部分が多々あり
それを、文章化して論ずることは、今の私の残念ですが限界を超えております。
ですが、今後益々勉強し少しでも早くこのページにアップしたい所存です。