ウェットクリーニングとは・・・。
元来、ウェットクリーニングとは、ドライクリーニングを前提として水を使った洗浄法でしたが。
昨今は、水洗いを主とした洗浄法になる傾向にあります。
しかし、ドライクリーニングのページでも記した様に、「ウールやシルク等」を水洗いすると
縮み、型くずれ、脱色等のトラブルとなります。
そのためウェットクリーニングの手法としては、約30゜から35゜のぬるま湯に中性洗剤を用い
極力、物理的な機械作用を抑えて洗います。
当店では繊維保護剤により水を加工し、繊維をコートして親水性繊維の水による膨張を抑ます。
但し、水洗機のドラムの回転を最小限に抑えるため、
ソフト洗いによる洗浄力の低下が懸念されます。
実際に、ジャケットやコートのアウターには、油性の汚れが多くその為水洗では限界があります。
これらの解決法として、油脂・蛋白・澱粉それぞれを分解する酵素(バイオ)を使います。
当店のウェットクリーニングをバイオクリーニングと呼ぶのはこの為です。
さて昨今、ドライマークを家庭洗濯できる洗剤がコマーシャルで流されれていますが、
業務用ウェットクリーニングとは、その一端でしょうか。
これは、我々の業界に於いてもかなり意見の分かれる所です。
私は、自分自身で理解できない洗浄法を行う意志はありません。
逆に自らの理念に基づき、新たなる技を展開するためなら、たえず能動的である所存です。
話が逸れましたが、これはあくまで私の経験と学習による見識です。
極論ですが、ウェットクリーニングに関して、それが最新の洗浄法であると言う認識は間違いです。
何故なら、1825年にフランスでジョリー・ブラン氏が
パリの郊外で商業ドライクリーニングを始める前は
ジャケットやコート等すべて水洗いであり、水洗いこそがクリーニングの原点であるからです。
では、何故水洗いからドライクリーニングという進化をとげながら、
再びウェットクリーニングが脚光を浴びたか・・。
確かにドライクリーニングに於いて、水溶性の汚れの除去は課題でした。
しかし、大半の水溶性の汚れは、シミ抜き、前処理及びソープのチャージにて除去が可能です。
それでも残るものは、直に水に浸け置けば、容易に除去が可能です。
一概に言えば語弊もありますが、
ウェットクリーニングは洗浄力については、ドライクリーニングと比べ
突出したポテンシャルはありません。
結論を言えば、一つは環境問題でしょう。
ドライクリーニングは有機溶剤を使います。確かにドライ溶剤は有害です。
最もクリーンな水を溶剤代わりにするウェットクリーニングが脚光を得た。
これは、今大きな課題として我々の業界に提起されています。
しかし、ウェットクリーニングはランドリー同様に排水をします。
ウェットやランドリーでは当然の事ながら、洗剤や助剤と呼ばれる各種の薬品が使用され、それが排水されています。
これは、商業業クリーニングの限りでは在りません。家庭のお洗濯でも同じです。
我々の汚れは、何処に行くのかを考えてください。下水処理にしろ、自然分解にしろ地球に戻されるのです。
それが環境に影響を与える。これはクリーニングに限りません。文明を得るために人類が自然に背信した結果でしょか。
しかし、我々は互いの共存のための努力を始めたばかりです。
ことクリーニングに関して、ウェットクリーニングやドライ溶剤の管理については、今後より深く認識し責任を持たなければならないでしょう。
ウェットクリーニングの概念についてまだまだ尽きませんが、あえて結論を出さずにおきます。
ウェットクリーニングについては、まだ発展途上にあります。
今後ドライクリーニングの技法の見直しも含め、試行錯誤を繰り返して行く必要があるでしょう。